002 まどろみ消去 - MISSING UNDER THE MISTLETOE

まどろみ消去 (講談社文庫)

まどろみ消去 (講談社文庫)

  • 虚空の黙祷者
  • 純白の女
  • 彼女の迷宮
  • 真夜中の悲鳴
  • やさしい恋人へ僕から
  • ミステリィ対戦の前夜
  • 誰もいなくなった
  • 何をするためにきたのか
  • 悩める刑事
  • 心の法則
  • キシマ先生の静かな生活

森博嗣の短編集. ミステリィ中心だが純文学もあり, 幅の広さを感じる. ほとんどの作品でカタカナ表記での人物が登場しており, 現実感を揺さぶられ不思議な感覚でストーリーが進んでいく. 虚構であることを確認しながら, 現実とのギャップを感じていける.

ミステリィ対戦の前夜』, 『誰もいなくなった』は西園寺萌絵のミステリィ研での活動の様子を描いたもので, S&Mシリーズの一端を垣間見させてくれている. これも, 短編集ならではの趣向である.

いたるところで, 文体の変化など様々なアイデアが試されており, 作者の力量の高さを感じる.