003 新しい高校生物の教科書
新しい高校生物の教科書―現代人のための高校理科 (ブルーバックス)
- 作者: 栃内新,左巻健男
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2006/01/21
- メディア: 新書
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ミクロからマクロまで
と, 生命と取り巻く環境を全体の流れとしてうまく取り入れている. 高校の教科書とあるが, 高校の内容をでることなく, 現在考えるべき問題の内容が盛り込まれ, わかりやすく書かれている.
最初の方は細胞内での反応が書かれているが, 中学の内容を超えないように表現しなくてはいけないためか, 今一歩踏み込み足りないところがあるようにも感じる. 化学反応を極力使わないようにしている配慮はわかるが, せっかく非認可教科書であるのだから, 本当にわかる教科書にしてもよかったのではないだろうか.
それでも, この教科書の一連の流れである『問題』→『本文』→『答え』の流れは, 授業などでは当たり前でも普通の本ではあまりなく, 読者の興味をうまく引き出す組み立て方だと思う. 実際, 『問題』を読み, 自分の頭で考える過程が重要でそれを踏まえて『本文』を読みながら『答え』を探るところが楽しいと感じる.
今の教科書がI, IIと別れ内容が分断され, 一連の流れとして学べない状況でこの教科書の意義は高い.