004進化しすぎた脳
進化しすぎた脳―中高生と語る「大脳生理学」の最前線 (ブルーバックス)
- 作者: 池谷裕二
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2007/01/19
- メディア: 新書
- 購入: 49人 クリック: 230回
- この商品を含むブログ (256件) を見る
脳の働きは体の構造によって決まっている. 言語は人間の特性であるが, これは様々な音が作れる咽頭を人間が持つことにより, 脳がそれをコントロールすることで獲得できた機能であるとしている. 高度な咽頭をほかの動物が持たないために, 人間以外ではサルでも言語の獲得はできないという. まさに構造こそが機能を決定しているのである.
また, 脳のあいまいな働きは表現を広げたり, 新しい発想をするために重要な働きをする. ニューロンどうしのシナプスでのやり取りに起因している. シナプスでの伝達物質の放出はある確率で行われている. 刺激を受けると100%確実に放出されるのではない. ある確率でである. しかも, 100段階程度のニューロンを通過するだけで, 思考は成り立っているとのこと.
結局これだけいろいろなことがわかっても人間の手で人間の脳は作れない. まだまだわからないことだらけであるということがわかった.